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一度は行きたいネパール
20代前半の頃、派遣の仕事を辞めたタイミングで、当時付き合っていた彼氏と旅行に行くことになりました。彼も就活中でしたが、気分転換も兼ねて3週間ほどタイ・ネパールを周ることになったのです。
なぜタイ・ネパールかといいますと、彼は学生時代バックパッカーをやっていて、アジアの国の中でネパールだけはまだ行っておらず、いつか行きたかったそうなのです。
私も彼に影響されて「深夜特急」読んだり、ウォン・カーワイの映画が好きだったので、アジアの国々には興味を持っていました。
あの猥雑とした街をあてもなく歩いてみたい…。バックパッカー初心者の私としては、有名なタイのカオサンロードには行きたいという訳で、タイ経由でネパールへ行くというルートに決まりました。
そして「地球の歩き方」を何度も読み、大きなバックパックを背負い、緊張と興奮に胸を高鳴らせいざ出発したのです。
今回は、特に印象的だったネパールについて書こうと思います。
ネパールの情報
ネパールは、三方をインド、北を中国チベット自治区に囲まれた国で、世界最高峰のエベレストを含むヒマラヤ山脈と丘陵地帯があり、南には平野が広がっています。
多民族・多言語国家で、宗教もヒンズー教、仏教などが混在しています。空港があるのは首都カトマンズ。
農業やヒマラヤ観光を中心とした観光業が主な産業で、干ばつや洪水で農作物が被害を受けたり、貧困が問題になっています。
当時、私はあまり詳しくは知らなかったのですが、1996年以降ネパールでマオイスト(ネパール共産党毛沢東主義派)による内戦が起こり、前国王が殺されてから2001年にギャネンドラ国王が王位についたものの、以後国王派とマオイストによる内戦が続いていました。(2008年に王政廃止。)
私がネパールに行ったのは2003年ごろで、当時日本人を初め世界の旅行者はたくさん来ていましたし、首都カトマンズの街中は比較的落ち着いていて、特に何か起こるというようなことはありませんでしたが、お祭り的なイベントの時は、夜にあまり出歩かないようにと宿の主人には言われました。
首都カトマンズの観光で有名なのが、ネパール最大のチベット仏教の巨大仏塔ボダナート、王宮広場であるダルバール広場、女神クマリの化身として崇拝される少女が住む館であるクマリの館、ネパール仏教寺院であるスワヤンブナートなどです。
バックパッカーが集まる宿が多いのはタメルという地区になります。
ネパールで驚いたこと
日本人も多い
ネパールには旅行者を虜にしてしまう何かがあるようです。飛行機がカトマンズに着くと、乗っていた観光客が一斉に歓声を上げました。
それほどネパールに着いたことが嬉しかったのか、安全に着陸できたことが嬉しかったのか、どちらかは分かりませんが。
驚いたのは、日本人の多さでした。皆さんいろいろな理由、目的でネパールに来ていますが、長く滞在している人が多いそうです。
どことなくのんびりした雰囲気、優しい街の人たち、おまけに物価が安いので、現実逃避してずっといたくなってしまう気持ちはわかります。
私が泊まった宿にも日本人が数人いました。宿の主人は大の日本好きで、片言の日本語が話せました。
目の前で火葬が行われるパシュパティナート
ネパール最大のヒンズー教寺院、パシュパティナートにも行きました。宿のある街の中心から少し離れていて徒歩では行けないため、レンタサイクルを借りました。
地図を見つつ、少し道に迷いながらなんとか大きな敷地の寺院にたどり着きました。寺院の横を流れているバグマティ川には火葬台が幾つもあり、火葬場となっています。
そして今まさに、火葬代の上で遺体が燃えていて、煙が上がっているのでした。灰は川に流されるとのこと。
そして、すぐ近くでは川で洗濯をする人も…。話には聞いていたものの、実際に目の前で見ると、やはり衝撃的な光景でした。
また、サドゥと呼ばれる修行者が寺院の横にいたりします。全身を白く塗り、大麻を吸う異様な姿には少し恐さまで感じましたが、私の彼は長く伸びた髪の毛を肩に乗せてもらい写真まで撮っていました(笑)。
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ネパールで感動したこと
カトマンズから西に200Kmのポカラという街に、トレッキングをしに行きました。バスに揺られること5時間。
そんなに長くバスに乗ったことが無いし、もちろん座席は硬い…。ガタガタ揺れるしお尻は痛いしでもう限界…と思い始めた頃、なんとか目的地に着いたのでした。
途中落ちたらひとたまりもないような崖っぷちの道を走ったり、検問で全員バスから降ろされたりと、ひやひやすることも多々ありました。
ポカラはトレッキングの基地、リゾート地としても知られ、ヒマラヤ山脈が望める湖の畔の緑豊かな街です。景色が綺麗で、少し苦労してでも来てよかったと思いました。
宿の主人が、着いた次の日の早朝にトレッキングに連れて行ってくれました。彼はガイドでもあったのです。
急な山道を登り、明るくなるとともにはっきりと見えてくるヒマラヤ山脈を拝み、感動的なひと時を過ごしたのでした。(ただ、その山にはトラがでるそうです!)
宿で朝食を取った後散歩をしていると、道でネパール人の子どもたちがサッカーをしていました。彼氏が子供達と一緒に遊び始めたので、私はその様子を道路の淵の部分に腰掛けて見ていました。
私が腰掛けている後ろは崖になっていて、その下には畑が広がっていました。ほのぼのとした気持ちで見ていたその時、なぜかバランスを崩し、私は後ろの5mほど下の畑へ真っ逆さまに落ちてしまったのです!
次の瞬間、身体がふわっと何かの上に落ちたのがわかりました。低い木の上に落ちたので、どこにも怪我をせずに助かったのです。近くで作業していたネパール人たちが、皆で私の体を起こしてくれました。
見知らぬ日本人が突然降ってきて、しかも農作業の邪魔をされたのにも関わらず、助けてくれたネパール人達の優しさには感動しました。
後でガイドさんにその話をしたら、かなり驚かれました(笑)。

ネパールで楽しかったこと
現地の人との交流
やはり、楽しいのは現地の人や旅行者同士の交流でしょうか。
道を歩いていると笑顔が素敵でフレンドリーな人が多く、片言の英語や日本語で話しかけてきたり、顔見知りになると、色々な情報を教えてくれたり…。(中には旅行者を狙う怪しい人もいますが。)
宿の前は色々な人が集まり、いつも賑やかでした。
また、他の国でもあるように、物を買う時やタクシーに乗る時に交渉が必要なことが多く、それを面倒に思うか、楽しめるかは人それぞれだと思いますが…。(私はあまり得意では無いです。)
街歩き
カトマンズの、レンガ造りの建物が並ぶノスタルジックな街並みを歩くと、不思議と懐かしさを覚えます。賑やかな通りには、牛やリヤカー、自転車、人懐こい子供達、野菜を売る人々…。
色々な文化が混在しているので、装飾が美しい建物やユニークな顔の描かかれたチベット寺院など、見ていて飽きなかったですね。
ネパールでの生活
ネパールの物価
ネパールの物価はアジアの中でも特に安く、長期滞在の人が多いのもそのせいでしょう。食事代も現地の人が行くような食堂なら一食150円ほどです。
宿代は2人部屋のトイレ・シャワー付きが1000円くらいで、ドミトリーは300円以下で泊まることができます。
しかし、私が旅行したのは2003年頃ですので、当時と比べ物価も少しずつ上がっているようです。
ネパールの食事
インド、中華、チベット料理が融合したネパールの料理は、香辛料がそれ程キツくないので、日本人にも食べやすいものが多いです。
例えばダル・バートという豆のスープと米がセットになっているものやチャパティというナンのようなものがよく食べられています。
どれも美味しく、現地で困ることは無いと思います。国際化により欧米など色々な食文化が入ってきていて、日本食も思ったよりちゃんとしています。
個人的には、モモというネパールの蒸し餃子を、スープに入れたものがとても食べやすく美味しかったです。

ネパールは何度でも行きたくなる国
ノスタルジックな街並み、穏やかな人々、美味しい料理、美しい山並み…。
ネパールは、どれをとっても魅力に溢れ、しかも物価は安いとなれば、誰もが何度でも行きたくなる国だと思います。私も、帰国の日には「まだ帰りたくない!」と思った記憶があります。
あれから10数年経ちましたが、私の中でネパールの街の風景は色褪せること無く、時折懐かしく思い出します。またいつか、行けることを願いつつ…。
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